口腔粘膜に出現する様々な炎症や粘膜異常を総称して口腔粘膜疾患と言います。
口腔粘膜はいろいろな病気のサインが出てくる場所であり、一見するとただの口内炎のようであっても、実は大きな病気の1症状として口の中に異常が現れている場合があります。口の中を診察することは全身状態を知るためのバロメーターとも言えるのです。 昔から内科や小児科の医師、漢方医は診察時にまず口の中を診ることからもお分かりかと思います。
また単なる口内炎と思っていても、実は歯に関連したものの場合、ウイルスが原因の場合もあれば、内服中の薬の副作用という場合もあります。
特になかなか治らない口内炎はお早めに当院へご相談ください。
いろいろな口内炎の原因と症状
アフタ性口内炎
最も普通に見られる口内炎です。いつも同じ場所にできる場合は歯との接触や食いしばりが原因の場合が多いです。
口の中のいろいろな部位にできる場合や、同時に複数個の口内炎が繰り返しできる場合は、胃腸の不調、疲労、内服薬の副作用、ビタミンやミネラルの不足、ストレスなどの複数の要因によって生じると考えられています。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因でおこる口内炎です。発熱を伴います。
ヘルペス性口内炎(単純疱疹)が有名ですが、小児では毎年6月頃になると流行するヘルパンギーナ、手足口病などがあります。
カンジタ性口内炎
真菌(カビ)が原因の口内炎です。
手入れされていない入れ歯を使っている場合や、強い抗生剤を使用している場合などに発症しやすいです。
口内炎以外の粘膜疾患
口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)
原因不明の慢性の炎症性疾患で30~60歳代の圧倒的に女性に多い。両側の頬の内側に白いレース状の白斑と赤くただれた部分が出現する。きわめて治りにくく、金属アレルギーや肝炎などとの関連性が考えられています。
白板症
粘膜の表面が厚くなり白くなる。通常はさほど症状はないが、一部はがん化することで知られており、前がん病変(がんになる前の状態)である可能性があります。